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アメリカを中心に海外で大ブレイクした『カウボーイ・ビバップ』から14年経った2012年、同アニメを手がけた監督の渡辺信一郎と音楽プロデューサーの菅野よう子のコンビが、小玉ユキの傑作マンガ、『坂道のアポロン』(英題『KIDS ON THE SLOPE』)にアニメとしての新しい命を吹き込んだのです。
この『坂道のアポロン』は2000年に漫画家デビューした小玉ユキの作品。小玉は2002年には新人の登竜門とされる金の獅子賞を受賞した実力派です。
しかし雑誌の廃刊でアルバイトで生活をつなぐという苦難を経て、2007年から女性向け漫画誌、月刊flowerに『坂道のアポロン』が掲載開始されます。
宝島社の「このマンガがすごい!2009」オンナ版1位や小学館漫画賞を受賞して、遂に2012年にアニメ化が実現したのです。
物語の舞台は長崎県佐世保市の架空の県立高校(モデルは小玉の母校の県立佐世保北高校)。高校1年の新見薫が横須賀から転校してきた1966年初夏からストーリーが始まります。
その時代考証の正確さに、この作者は一体何歳なんだ!?と突っ込みたくなります(笑)。もし連載開始時の2007年を基準すれば、1966年に16歳だった主人公達は57歳ぐらいになっていることになります。
佐世保は旧海軍から米海軍・海上自衛隊と歴史と伝統のある軍港で、昔から国外や県外との人の交流が多く、開放的で積極的にチャレンジする風土があります。
その中で全能感を持つ子どもが現実に揉まれて大人に成長していく姿を丁寧に、そして見事に描いているのです。
ジャズ音楽をベースに男同士の友情や恋愛、家族関係、進路などに迷う主人公たちは、今を生きる若者、またはピュアな心を持っていた大人たちに深い共感を与えます。
アニメの中で絶対に見逃せないのは、主人公の新見と同級生、川渕千太郎のピアノとドラムのセッション・シーン。2人の演奏に飲み込まれた体育館に集まった高校生になったような感覚。鳥肌が立つような感動が得られます。
ネタバレになるので詳しくは説明しませんが、とにかく見て欲しい、そしてその臨場感を感じて欲しいです。もちろん、最終話のラストシーンも震えますが・・・
アニメは渡辺監督の力量で、一切の無駄も不足も感じられない緊張感のある見事な仕上がり。
原作のないアニメ『カウボーイ・ビバップ』はエネルギッシュなハチャメチャ感(それでいて崩れていない)がありましたが、アニメ『坂道のアポロン』では原作の良さを完璧に引き出しています。
また渡辺✕菅野の名コンビ復活とのことで、海外でも注目されています。この作品の評価は、日本の高校生活を知らない海外の方が高いような気がします。
『カウボーイ・ビバップ』や『坂道のアポロン』でも痺れるようなカッコいいジャズ曲のプロデュースを手がけている菅野ですが、実はジャズはあまり好きではないそうです。好きではないジャンルでセンスを発揮できるなんて凄い!
このアニメは深夜放送の枠で放送されました。子どもにはこの魅力が判らないということだったのでしょうか。でも高校生以上の人には絶対にDVDやブルーレイなどで観直して欲しい作品。
オリジナル・サントラCDもリリースされているので、こちらも強くおすすめです。菅野プロデュースのジャズ・スタンダード・ナンバーも収録されています。きっと『坂道のアポロン』やジャズの魅力を再発見することでしょう。
(参考)http://myanimelist.net/anime/12531/Sakamichi_no_Apollon
http://www.crunchyroll.com/kids-on-the-slope/reviews/helpful/page2
全く興味ないけど、コメントを見ているとジャズに興味ない人が見てハマったとか、なぜこの作品を見ようと思ったきっかけが気になる。やっぱりプロデューサーかな?ただ日本のアニメだからかな?
なんか堕ちた人が好きになる女生徒とか出て来てたな。
あれは…いらなかったのでは?
つかあのエピソード自体をあまり覚えていないが。
最後結婚するとこまでアニメにすりゃよかったのに。
>>1
あれがいらないとかありえない
少女漫画なら必須と言ってもいい