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日本の弥生時代、高度な文明を持っていた古代ローマ都市、ポンペイ(イタリア)はあっという間に消滅しました。火山の降灰や火砕流によって街ごと埋まってしまったのです。
その都市はタイムカプセルのようにそのまま保存され、当時の生活の様子を現在に克明に伝えています。
およそ2000年前の79年8月24日、ポンペイから9km離れたヴェスヴィオ火山が突然噴火します。翌25日には時速100kmの火砕流が発生して、街ごと飲み込んでしまったのです。
噴火発生からわずか19時間後にはポンペイは地上から消えてしまいました。噴火時のポンペイの人口は12,000ほどと推定されています。
噴火による飛翔物や瓦礫の落下、400℃の高温ガスにより、火砕流に飲み込まれる前に多くの人々は亡くなっていたと考えられています。
街は一瞬にして火砕流に埋まりましたが、結果として遺跡は極めて良い状態で保存されました。堆積物が乾燥剤の役割を果たし、雨風や紫外線から原型のままの都市を守ったのです。
発見された数多くの遺跡や壁画(フレスコ画・モザイク画)は当時の生活を知る貴重な手がかりとなっています。
ポンペイは石畳みの通りや豪華な劇場、公衆浴場や製粉所、風俗施設、住宅などが計画的に作られ、上水道や下水道も整備されていました。レストランのメニュー表や標識、トイレの落書きなどもそのまま残っていたのです。
私たち日本人の祖先が竪穴式住居で生活していたのとは大きな違いですね。
発掘を進める中、研究者達は床に沢山の空洞を見つけます。この空洞に石膏を流して固めた結果、これらが当時の人々の遺体であることが判りました。遺体の周りの火山灰は固まり、遺体の部分が空洞として残ったのです。
現在のポンペイ遺跡の中にはこのような石膏で復元された遺体を沢山観ることができます。最近の研究ではその石膏で固められた遺体をCTスキャンして、当時の人々の様子をさらに詳しく調べています。
この結果、災害時の人々の表情まで分かる例もあります。ある4歳児の少年は亡くなる時に母親の膝の上で唇をギュッとつぼんでいました。リアル過ぎて悲しくなりますね。
残念なことに発掘された遺跡は大気に晒されて急激な劣化が進んでいます。ポンペイ遺跡の発掘と保存を行なう国際共同プロジェクトが行われています。世界遺産にもなっているこの古代都市には多くの人々が強い関心を寄せています。
イタリアと同じく火山国の日本にとってポンペイの悲劇は他人事ではありません。例えば富士山の噴火も想定されています。
長い歴史の中で断続的に噴火を繰り返していますが、最後の大噴火は約300年前の宝永大噴火で、江戸の町に大量の灰が降ったことが記録されています。
また桜島火口から僅か10km離れた鹿児島市などはポンペイのように火砕流に遭う可能性もあるのです。
地震・噴火の発生メカニズムや予知の研究では日本はトップランナーです。110ある国内の火山のうち、桜島や阿蘇山、御嶽山、富士山を含む47火山はリアルタイムで観測されています。
気象庁から提供される火山情報は完璧ではありませんが、間違いなく世界最高レベルです。しかし、災害を減らすには精度の高い予報だけでなく、速やかな避難体制も重要です。
そして最終的には日頃の防災意識でしょう。ポンペイの悲劇を教訓にして、「災害は忘れた頃にやってくる」との警句を忘れずにおきたいですね。
(参考)http://www.dailymail.co.uk/travel/travel_news/article-
3380428/Inside-newly-restored-dwellings-Pompeii-merchant-s-lavish-home-
ancient-bathhouse-Roman-graffiti-unveiled-3m-spruce-up.html
建物が2000年前そのままで残されているのは、まさにタイムカプセルですごいと思ったけど、2000年までにレストランのメニュー表やトイレの落書きがあったなんてさらに驚いた。
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