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今月末、イラン国営テレビチャンネル、テヘランチャンネルは、整形手術をした俳優がこのテレビ局の番組へ出演する事を禁じる、と発表しました。この理由として、俳優たちの間で整形手術が広がるのを防ぐためだ、と言うのです。
この整形手術禁止令が発表された後、ソーシャルメディアの間では、“イランのくだらない国会議員の最大優先事項は、整形手術をした俳優達をどうやって国営テレビから追い出すかだったのか。”
“これからは、有名な俳優をテレビで見受ける事が少なくなるね。”など、数多くの皮肉なコメントが寄せられています。このようなコメントからも理解できるように、美容整形禁止令に一般市民はあきれた反応をしめしています。
イスラム原理主義を政治基盤としているイラン。非常に保守的で、イスラムの厳しい掟に従った政治体制の下で、なぜこのような整形手術を禁止する発言をしたのでしょうか?
実はイランでは、1979年に起きたイラン革命後から整形手術の数が増え始め、今では、イランの若い女性達は、ハリウッド女優のような目鼻が非常に整った“人形”のような顔に憧れ、若い人で14歳ほどから、整形手術を当たり前のように受けているのです。
現在、毎年20万人のイラン人が、鼻の整形手術を受け、イランでの整形手術数は、アメリカで行われる件数の7倍以上にまで膨れ上がり、“鼻整形大国”と呼ばれるまでになっています。
整形後に張られたテープは、ハイステータスの象徴で、隠す物ではなく、見せるのがあたりまえ。
しかし、整形費用は決してお手ごろな訳ではありません。イラン国内での各整形費用は、
イランでの平均月収が4万8千円だと考えると、非常に高額な値段です。なぜここまでの高額な値段を払ってまで、イラン人女性は整形手術にこだわるのでしょうか?
大多数の人が理由に挙げるのが、イラン女性が義務つけられているヘッドスカーフ(ヒジャーブ)。ヒジャーブをかぶる事によって、女性らしい顔の形、髪の毛、肌などを公共の場で自慢する事が出来ず、唯一目に見える形で公表できる箇所と言えば、顔。顔の中でも一番目に目に付く、鼻に注目がいったようなのです。
他の理由としては、整形で見かけを良くできるまでに医療が発達したので、それを利用しないわけには行かない、あるいは、より良い条件の旦那を見つけるには中身より見かけが一番大事、と言う精神的に満たされる事よりも、外見を優先する意見も数多くあります。
この整形ブームは、最近では、女性だけでなく男性にも広がっています。テヘランで化粧品を販売しているモハメットさん。彼も2年前に鼻の整形を行った結果、彼の店の売上が上がったと誇らしげです。
彼曰く、“整形のおかげで、自分の見かけが良くなり、多くの女性が僕の店に真っ先に寄ってくれるんだ。”と言う事です。また、2011年には、イラン大統領の右腕、エスファンディヤール・ラヒーム・マシャーイー氏も瞼を吊り上げる整形手術を行ったと報道されています。
しかし、イランでの整形手術にはリスクも伴もない、呼吸障害、睡眠中の寝返りで出来る鼻のくぼみや変形、気温が下がったときに発生する鼻の痛みと鼻づまり、余分な組織や骨の成長、嗅覚喪失などの数多くの失敗に苦しむ人達もいます。
最悪の場合は死亡例で、実際、外交問題担当顧問のアリー・アクバル・ヴェラーヤティー氏の妻が脂肪吸引術後、合併症で亡くなっています。
また、この整形ブームに便乗して、無許可医師による整形美容院も増加しています。テヘランを拠点として活動する病理学研究グループ、アーリヤ政策研究センターの報告によると、イランで実際に美容整形外科医として登録されている数は157人であるのに対し、実際に美容整形手術を行っている数は、7千人に上ると伝えています。
宗教は、物質的あるいは、外見的な欲求よりも、内面的な平和を目的としたもので、決して害を与えるものではないように思います。
ただ、国家が国民に対して、宗教や道徳観を押し付けたり、表現の自由を制圧した場合、国民の不満がつまり、国が目指したい道とは全く逆の方向へ行ってしまったり、国民が何らかの行き過ぎた思想や行動を創り出す原因になったりします。
イランでは女性が自由に自己を表現する機会がほとんどないため、イラン国外を出たとたん、ヘッドスカーフを外し、ミニスカートを履いて外出したり、クラブに夜な夜な出かけるなど、自由な生活を楽しんでいる姿をよく見かけます。
宗教や言論・表現の自由は基本的な権利であり、誰かにコントロールされるべきものではありません。一刻も早く、宗教の名の下に、自国民を苦しめ、政治的エゴを突き通す国家がこの世から消え去って欲しいものです。
参考文献
(参考) http://www.bbc.co.uk/news/blogs-news-from-elsewhere
-28023999http://www.dailymail.co.uk/femail/
article-2287961/Iran-named-nose-job-capital-world-SEVEN-times-rhin
oplasty-operations-U-S-Iranian-women-strive-western-doll-face.html
http://www.theguardian.com/world/iran-blog/2013/
mar/01/beauty-obsession-iran-cosmetic-surgery
http://www.rferl.org/content/ahmadinejads_right
-hand_man_underwent_plastic_surgery/24352900.html#hash
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イランの女性はこの記事の写真を見る限り、綺麗な人が多く整形なんて全く必要ないように思えるが、宗教上スカーフをかぶっていると鼻を整形したくなるのだろうか。
14歳から整形をして、死者まで出ているのにブームが絶えないのはびっくりした。
イランの鼻整形は本当に沢山の人がしてる。絆創膏つけてどうどうと歩いてるよ。自慢になるらしい。鼻を治したってね
世界は狂ってる