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技術の発達、特にIT技術の発達で、世界は目まぐるしく変わっています。それに伴い、昔では考えられなかった事件や犯罪も増えました。多くの国が、こうした新しい犯罪を防ぐため、その対策や法律の策定に追われていることでしょう。
さて、そんな現代に、一風変わった法律を施行しようとしている国があります。その国とは、今や驚異的な成長を遂げる、あのインドネシアです。
昨年、インドネシアで、「魔術」を使う者を罰する法案が提出され、話題になっています。この法案が通れば、今後、魔術や超能力を使う者には刑事罰が科されることになります。
禁固刑の場合には5年以下、罰金の場合には最高で3億ルピア(日本円で約265万円)なんだとか。ちなみに、インドネシアの中間層の平均月収は200万から300万ルピア(日本円で約1.7万から2.7万円)と言われているので、この罰金、結構な額ですよね。
国内でも批判の多いこの法案。創案者は、「この法律の目的は、魔術師や超能力者を罰することではなく、そうした能力によってだまされてしまう人を守ることです。事実、他人に魔法をかけて、牛や豚を何十頭も要求するような人間が存在しているんですから」と話しています。
これに対してある政治家は、「こうした法律は、魔力や超能力を持った人間の人権を侵害するものだ」と憤慨。「『黒魔術』を使う人間すべてが、人を傷つけるわけではない」と、上記の考え方を強く否定しています。と言うのも、この政治家、超能力があることで有名なんだとか……。
彼はまた、「『だまされる可能性のある人を守る』という考え方は理解できます。しかし場合によっては、こういう力を使う者にだって、保護が必要なこともあると思うのです。先日、一人の男性が、魔術を使用したことで罪に問われ亡くなりました。彼は、魔術をかけるよう頼まれたからかけたまでで、自分の意志でやったことではなかったのに」と話しています。
「政府がこうした能力のある人間を犯罪者と言うのであれば、その能力を自分のために使うよう要求する人間もまた罰するべきです。『人を傷つける可能性のある』魔術に関わっている点では同罪なんですから」、「この法案を通したいなら、魔力や超能力を持った人々のことをもっと理解する必要があるのでは」と続けています。
ところで、その法案とは、どのようなものなのでしょうか?
■ 上記に該当する者が、金品を得て、または慣習としてこれらの行為を行った場合には、最初に科された刑罰に、その刑罰の3分の1をさらに加えることができる。
さて、こんな時代遅れともとれる法律に、人々はどう反応しているのでしょう。
ひと昔前のヨーロッパでは、当たり前のように施行されていた禁魔術の法律。例えばイギリスでは、1542年に制定された禁魔術法が、今では詐欺や霊媒に関する法律となって残っているんだそうです。
インドネシアのように新たに制定する国は少ないと思いますが、世界には、いまだこうした法律や決まりが残っている国や地方はあるようです。反対に、現代の社会にはもはや不要だと廃止を行う国もあります。近年では2013年にオーストラリアとパプア・ニューギニアが廃止を決定しました。
インドネシアは法案に至るまでの理由に納得のいくものもあるのですが、やはり、少し時代遅れにも感じますよね。そうそう、ちなみに、ユドヨノ大統領も黒魔術を信じているとのことで、世界中で話題になっていました。
(参考)http://www.weirdasianews.com/2013/04/07/
witchcraft-banned-indonesia/
http://www.indoboom.com/2013/stories/indonesia-
to-introduce-new-law-against-witchcraft.html
この法案が出たのが昨年ということに驚いた。またインドネシアの政治家に超能力が使える人がいるなんてのも面白い。この記事を読んでインドネシアのイメージが少し変わった。