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職業として“バスの運転手”と聞くと、私たち日本人にとってはごく普通の仕事に思えるでしょう。それもそのはず、乗客を定刻通りに安全に目的地に運ぶという目的で、バスの運転手は日々業務に励んでいます。
さて2013年の年末に “世界でリスクが高い仕事トップ10”というランキングが発表されました。そのランキングの中には、イラクの戦士、メキシコの警察など、私たち日本人が容易に予想できる命を危険にさらしている仕事が入っています。
しかしそのトップがなんと“グアテマラのバスの運転手”だったのです。たかがバスの運転手が?なんで命を危険にさらすような仕事なの?なんでトップなの?と思うかもしれません。実はこの背景にはグアテマラの治安が関係しているのです。
もちろん日本でもバスジャックが起きることがありますが、その場合にはすぐに警察が動き事態を収拾するというのが普通です。
交渉部隊から突撃部隊に至るまでしっかりと訓練されていて、緊急事態には彼らが出動するといった具合です。バスジャックを恐れてバスの運転手にならないなんていう人はほとんどいないでしょう。
しかしグアテマラになると事態は全く違うのです。グアテマラにはパンディーヤスと一般に呼ばれる犯罪グループが存在します。彼らの仕事は主に“恐喝”。お金をせびり、支払われなければ簡単に人を殺してしまいます。
なんとグアテマラのバスの運転手はこのグループのかっこうの標的になっており、ここ6年間で900人以上のバスの運転手が殺害されています。
警察はなにもしないのか?と思うでしょうが、この数字にも驚かされます。なんとこれだけ起きている事件のうちの、たった5パーセントのみが警察によって捜査され処理されているのです。
実際彼らは逮捕されて刑務所に入れられても、刑務所の中からこの組織を操り続けています。そして恐喝された側は、殺されたくない恐れゆえに毎月一定の額を彼らに支払い続けます。今でも1万を超えるバスの運転手がこの恐喝を受けているとのことです。
ちなみにグアテマラ人にとってこのグループの恐喝は日常茶飯事で、一般庶民の家にもいきなり電話がかかってきて(実は刑務所の中からだったりすることも多々)、結局そこに住み続けることができなくなり夜逃げする人もいるほどです。
つまり彼らはこのような危険といつも隣り合わせに生活しているわけです。
さてこの現状を世界の人はどう見ているのでしょうか。
実際に起こっている事件を見てみると、大多数は運転手や助手のみがバスの持ち主として標的にされていますが、もちろん日中の事件になると、流れ弾に当たって乗客にまで被害が及ぶケースも多々あります。
処理しなければならない事件が多すぎて、警察の手がすべてのケースに行き届かないのが現状で、このまま続くとグアテマラの治安の悪化が心配されます。
そう考えると日本は警察がよく機能し、国民の安全を守るために素早い対策が講じられ、安心して生活できる幸せな国と言えます。グアテマラの人たちも、一日も早く恐れにおびえず安心して生活できる日がくることを願っています。
(参考)http://www.diariopanorama.com/seccion/el-mundo_17/
conoce-los-10-trabajos-mas-peligrosos-del-mundo_a_151830
このランキングは面白い!グアテマラが治安悪いことは最近知ったが、こんな1位になるほどとは思わなかった。バスの運転手が簡単に殺されるなんて、それは絶対やりたくないと思うだろう。