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日本でも近年、芸能人の覚せい剤使用での逮捕のニュースが多いですよね。最近では 人気ポップスグループ CHAGE and ASKA (チャゲアンドアスカ)のASKA(本名•宮崎重明)が覚せい剤使用の容疑で逮捕されて波紋を呼びました。
日本でも覚せい剤問題が取り上げられる中、イギリスではもっと深刻な社会問題になっています。毒性が強く、依存性も高くて危険とされている麻薬、コカインはご存知ですよね?
近年イギリスではコカインの使用者が急増していて飲み水にまでも影響しているようです。
論文によると、 イギリスの国民の間でコカインの使用があまりにも一般化してしまった為に、供給される飲料水にまでも混入しているのを発見したようです。
飲料水への医薬品の混入が人体にもたらす危険の研究をする中で、科学者たちが徹底的に浄化処理をされた水の中にも関わらず、微量コカインを見つけたのです。
イギリスの飲料水の安全性を確かめる組織Drinking Water Inspectorate (DWI) は、供給されている飲料水の中に体で消化され代謝されたコカインの組織、ベンゾイルエクゴニン(Benzoylecgonine)が含まれていることが研究の結果でわかりました。
この物質、ベンゾイルエクゴニン(Benzoylecgonine)とは尿検査で薬物反応の検査時に探す物質と同じもの。すなわち、汚水をフィルタリングして水道水として供給している中で、尿の中の コカインの組織が取り除かれないまま人々の所に行き渡っているという事態が起きているという事です。
パブリックヘルスイングランドによる、水に混入した薬物が人体に及ぼす危険性についての調査によると、1リットルの水に対して4ナノグラム(1ナノグラム=約10億分の1グラム)のコカインしか入っておらず、公共に危険をもたらす可能性は低いと発表しました。
“水のなかに検出された 混合物は薬用量と桁が何個も違う”と発表し、含まれている混合物は動物に悪影響をもたらす量の何百倍も少なく、また人間に悪影響をもたらす量より何千倍も少ないと述べました。
それゆえ、”検出された薬物は人間の健康に悪影響を及ぼすことは、考えにくいだろう”と結論づけられました。
イギリス国民への健康被害が考えにくいとされたものの、フィルタリングされているにもかかわらず残るという事は相当な量が汚水に混じっていると考えられます。
薬物政策のアナリスト、スティーブ ローレスはこの結果について、サンデータイムズ紙に今日のイギリスでの薬物の使用率の増加を物語っていると発表しました。
彼は“我が国のコカインの使用率は西ヨーロッパの中でも最高値に近い”と述べ、“使用率が高くなるにつれてコカインの値段も安くなってきている”と使用しやすくなっている現状を警告しました。
昔は値段が高く金持ちの為のドラッグと思われていたのですが、現在では手頃な値段になったために階級に関係なく使用しているようです。
2010年の調査によるとイギリスでの1998年時の平均的なコカイン値段は1グラム77ポンドに比べて現在は一グラム42ポンド(約7200円)で売られているそう。
イギリス政府によるとコカインの使用率は大麻の次に多く、年々増加の傾向にあると発表されています。慈善団体のドラッグスコープによると、イギリスでは18万のクラックコカインの依存者がおり、16歳~59歳の中の70万人は毎年コカインを摂取すると言う事が発表されました。
国連の薬物と犯罪担当 事務所によると15歳~16歳の間の年の、なんと20人中1人はコカインを使用した事あるのというのです。
単純計算で15、6歳のティーンエイジャーの5%はコカインを使用した事があるという事になります。これでコカイン以外の薬物を足したら何%になるのでしょう。
なぜここまでイギリスでコカインの使用率が急増しているのかという疑問が残ります。コカインが危険薬物という意識が少ないのか?
法律ではそうではなく、薬物はクラスAからCに危険性に基づいてランク分けしており、コカインはAにランク付けされています。値段が安くなるにつれ人気がましているようです。
しかし、イギリスやハリウッドで芸能人の薬物の乱用が多く取り上げられています。最近でも現在人気を博している映画『アナと雪の女王』の主題歌を歌っているディズニーチャンネル出身の歌手デミ•ロヴァート(Demi Lovato)も自身のコカインの使用を2013年の暮れに告白しています。
デミはかなり依存していた事を告白し「コカインなしで30分もつ事ができなかった。」と語りました。2012年にはテトラパック創業者の御曹司の妻エヴァ•ラウシング(Eva Rausing)がコカインの乱用でイギリスの家で死亡されたのは発見されました。
この時、通報するのを恐れた夫は妻の死体を2ヶ月も放置し、布などでグルグルに巻かれ発見されたという珍事件もありました。
その他にも、芸能人の麻薬使用の告白などたくさんあり、実際そういう告白や報道は珍しい事ではなく、告白後もテレビに出て普通に活躍しています。
こういう点を考慮すると、欧米は日本に比べて 薬物乱用に対する社会的制裁が少ないように思えます。
補足ですが、イギリスの飲料水を調べた科学者たちは水のなかにベンゾイルエクゴニン(コカインが代謝された物質)の他に鎮痛剤の薬、イブプロフェンと、てんかんのための薬、カルバマゼピン、それと多量のカフェインが含まれている事を見つけました。
イギリスの飲料水、本当に大丈夫?!
(参考)http://www.bbc.co.uk/newsbeat/27375178
日本ではコカインが身近にあるわけではないので、イギリスでは水道から出てくる事があり得ないとびっくりした。
昔と比べ価格も下がっているようで、どうにか厳しく取り締まってもらわないと、いずれ日本にも来るようで恐い。