イランからの亡命を希望する女性が拘留されていたクリスマス島で流産しました。クリスマス島はインド洋にあるオーストラリア連邦領の島。オーストラリアとしては最もアジアに近く、アジアからの難民が漂着することの多い島として知られています。
超音波検査を受けられず、その結果
当時、妊娠13週目だった彼女は痛みを訴えましたが、移民拘留センターの医師も看護師も問題はないから大丈夫だと言い続けたそうです。お腹の赤ん坊の状態を知りたいと超音波検査を求めたものの、クリスマス島には超音波がないと言われてしまいました。
その後、再び痛みを感じた女性の容体は大声を上げるほどひどく、意識不明に陥り出血も確認されます。しかし、この状況でさえ、「気にすることはない。普通のことだから病院に行く必要もない」と言われたそうです。
彼女を哀れんだスタッフの一人が病院まで送り届けると、そこには超音波が・・・。ないと言われた超音波は島にあったのです。そして検査の結果、流産したことが判明しました。彼女の夫によると、もっと早くに来ていれば子供が助かったかもしれないと病院から説明を受けたとのこと。その後も超音波検査は受けられず、移民拘留センターでは常に「ここは拘置所だから多くを期待するな」と言い含められたそうです。
不十分な医療体制
クリスマス島に派遣されている15名の医師たちは島に到着した際、抑留者に対しても「一般の慣例」に従って妊婦管理が提供されると説明されたようですが、医師たちは雇い主である国際保健医療サービスによって提供される医療が「安全でなく、不十分であり、オーストラリアの標準に達していない」と語っています。
その中でも超音波は大きな問題で、島の病院には超音波の機材があるものの、それを活用できる専門技師が在駐していないのです。超音波検査技師が島を訪れるのは2、3カ月に一度で、地元住民が優先的に診察されます。
リスクを抱える亡命者
そのため、今回のイラン出身女性のように妊婦の中には流産の危険に直面し、場合によっては堕胎も必要になるかもしれません。生ワクチンを摂取した直後に妊娠が分かった女性や、胎児の成長にリスクを抱える女性たちの無力さについて書かれた報告書もあります。
今回のケースは妊婦が亡命希望者であったことから、母国にとどまって出産した方がよかったのではないかという意見が多いようです。
- オーストラリア政府は子供たちが亡命を求めて船でやってきたからといって、罰を与えて傷つけているように思えるわ。なんとバカバカしく不愉快な話でしょう。
- こういう人たちが法的に(そして必死に)亡命を求めているのなら、担当大臣は彼らに対する冷酷な医療について釈明すべきだ。
- 今もこれからも、移民拘留センターでは子供を生んじゃいけないってことね。
- この人たちは何をそんなに期待しているんだろう? 第三世界の国からやってきて、5つ星のサービスを期待しているんだろうか。この女性は第三世界の船で危なっかしい航海をしているときに胎児の命を心配したのかな? もっと病院に早く来ていれば助かったかも、と言われたみたいだけど、誰が言ったのか。それを言った人は誰なのか。もしかして作り話かもしれない。あと、助かった「かも」ということは仮定的であって確実じゃない。抑留されていることを受け入れるべきだ。ヒルトンに泊まっているのとはわけが違う。
- (上記のコメントに対して)彼らだってヒルトンにいるわけじゃないことは分かっていると思う。必ずしも難民が第三世界と呼ばれる国からやって来るとは限らない。どこから来ようと、ふさわしい優れた医療を受けるべきだし、今回のケースはそれに該当しないと思う。
- 別に5つ星の待遇なんて求めてないでしょ。ただ単に基本的な医療を受けたかっただけじゃん。それを受けられない理由があるんだろうか?
- この前、シドニーの移民拘留センターから出された夫婦がいて、妻の方は妊娠7カ月だった。一時滞在ビザを与えられたんだけど、そのせいでサポートが減ってしまったんだ。彼らは車での生活を強いられ、赤ちゃんも車で生まれた。そして亡くなった。
- 悲しいしムカつく話だ。俺たちはこれよりマシ。
- そもそもなんでこの妊婦はイランからボートに乗って、自分とお腹の中の赤ちゃんを危険に晒したんだろう? 他に一切の選択肢がないれっきとした亡命者だったのかな? イランは戦争中じゃないし、可能性も高いとは思えないけど。確かに報道を見聞きする限り、こういうシステムはとても良いとは言えないけれど、こういう人たちの行動もあまり良いとは言えない場合もあるんじゃないの?
- (上記のコメントに対して)イランが戦争中じゃなく、起こる可能性も低そうだ、というあなたのコメントを見る限り、イランの状況をあまりご存知ではないようだ。
- つまり、超音波検査に関してはクリスマス島に住むオーストラリアの国民も同じ状況ってことだよな。クリスマス島の医療施設は人工的に十分みたいだけど、難民には足りていない。
- ものすごくショックだわ。私が生まれ育った国はもはや存在していないようね。忌々しい警察国家になってしまったみたい。
- 42年前に移民して以来、私は自分をオーストラリア人と呼ぶことに誇りを持っていた。多国籍で多くの文化が存在する偉大な国にいつも感動していた。だが、ここ数年で何が起きたのだろう? 私たちはもはや誰からも歓迎されないのか? そうじゃないだろう、オーストラリアよ! 本当はもっと素晴らしいはずじゃないか!
- なんと恐ろしい。オーストラリア人として恥ずかしい。
- 何も言えない。残念でしょうがない。唯一確信したのはこの政府に投票はしないということ。絶対に、だ。
- イランにとどまっていた方が良かったってことか?
- 政府が俺たちにクズの国の国民になれって言っているのか、これは。
- 彼らは亡命希望者とは言えない。経済的な不法移民だ。家に帰るべき。
- 私はイランにいた方がよかったんじゃないかって思うけど・・・。
- 皆、第三世界って言葉を使いすぎじゃないか? 学問的にも使われていないし、メディアでさえ目にしない。オーストラリアは“第一世界”とでも言いたいのかな・・・。
船でやってきた亡命希望者に対するオーストラリアの待遇のひどさを非難する声が多いとはいえ、難民を受け入れる政府側の立場で意見を述べる人も少なくありません。難民として他国に亡命を求める人々の実際の状況は外からでは分かりませんが、彼らを抑留しておくのであれば、ふさわしいケアを提供できる環境を整えるのも国の責任と言えるのではないでしょうか。日本ではあまり考えられませんが、機材があるのに使える技術者がおらず、救える命が危険にさらされてしまうのも問題です。
(参考)http://www.theguardian.com/world/2013/dec/23/woman-who-miscarried
-on-christmas-island-told-lower-expectations?commentpage=2
妊娠で安静にしてなきゃいけな時期に亡命する判断が間違いだと思う。オーストラリアにそんな役割を持つ島があったなんて知らなかったが、名前がかわいらしくてイメージと合わない。
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- 名前とは裏腹にとっても厳しいクリスマス島の拘置所