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中国と言えば餃子が有名ですが、中国人は何も餃子ばかり食べているわけではありません。同じ中国でも南方の人たちはあまり餃子を食べる習慣がなく、主食は日本と同じお米なのです。
そんな中国の南方に住む人たちにとって大切なお米が、カドニウムなどの重金属に汚染され、しかも市場に流通していることが伝えられて、多くの中国人を不安に陥れたのをご存知でしょうか。
カドニウムがどれほど人体にとって有害かというのは、皆さんも良くご存じのことでしょう。日本でも高度経済成長時代に公害問題が起きましたが、カドニウムは“イタイイタイ病”の原因物質であることはよく知られています。
この“カドニウム汚染米”問題は昨年、中国広東省で一部の米から、基準値を超えるカドニウムが検出されたと中国メディアが報道したことに端を発しています。
その後、広州市の食品薬品監督管理局が市内に流通している米を検査したところ、18サンプル中、8サンプルから基準値を超えるカドミウムが検出され、その多くが湖南省の株洲や衡陽産だったと発表しました。
湖南省の株洲や衡陽は、古来より良米のとれる「米所」として有名だったのですが、上記の公表を受けて、「毒米」の産地として名を馳せることとなり、湖南産の米の価格は大暴落したと言われています。
では、なぜ中国の中でも特に湖南省の米がカドニウムに汚染されてしまったのでしょうか?これは、古来より同地方が中国有数の非鉄金属の産地であることと深く関係しているようです。
特に湖南省の株洲は重工業都市として有名で、中国の“金属精錬基地”とも呼ばれる地域なのです。そのため、周辺の土地がカドニウムなどの重金属に汚染されてしまったと考えられています。
が、しかし。カドニウム汚染米の問題は、実は湖南省だけにとどまる問題ではなかったことも明らかになっています。早くも2007年の時点で、南京農業大学が行った調査によれば、中国各地から集めた91のサンプルを調べたところ、約10%のサンプルから基準値越えのカドニウムが検出されたと発表されています。当時はあまり人々の関心を集めなかったために話題にならなかっただけのようです。
この“毒米”問題については、中国の掲示板でも大きな話題となっていました。スレ主は、GDPを上げるために、政府が結果も考えずに環境に悪い重工業や化学工場を導入したため、重大な環境汚染を招いたと指摘しており、「歪んだ経済発展モデルは、すでに社会に対して悪い影響を及ぼしている」と懸念を示しています。
スレ主はまた、「経済発展は引き続き堅持していく必要があるものの、毒米問題はGDPのために一切を顧みず、環境を破壊する方法はもはや通用しないと我々に警告している」と主張。
政府は自然を尊重し、調和を求め、保護することを理念として、青い空ときれいな水を取り戻す必要があり、そうでなければ「中国の夢は悪夢になってしまう」と危機感を表しています。
このスレ主の主張に対して、他のネットユーザーからも中国の環境汚染問題に関する様々なコメントが寄せられました。以下にその一部を紹介します。
いかがでしょうか?寄せられたコメントを見ると、将来を悲観している人も少なくないですが、“百の毒にも侵されない体”など、自虐的なコメントもあり、中国人ネットユーザーのユーモアのセンスが光っています。
日本では中国食品に対する安全面での懸念から、中国産を避ける人もいるかと思いますが、中国国内では避けようがないのが現状です。嘘か本当かは分かりませんが、政府役人は特別に安全な食物を提供してもらっているとの噂が庶民の間では流れており、有効な政策が出てこないことも手伝って、政府に対する不満が高まっているのが見て取れます。
日本では考えられないような危険な食品が流通していて、しかも“新たな毒入り食品”が次から次へと発覚する中国。食品偽装が日本でも問題になったことがありますが、中国のことを考えたら、比べ物にならないほど日本の食品は安全なのではないでしょうか。
(参考)http://bbs.tianya.cn/post-develop-1320881-1.shtml
中国人はすでに諦めていて、コメントが面白い。
中国からは毒物が何回もニュースになっているので、日本人も今さら驚かないところがある。中国人はどうやって安全な食べ物を選んでいるのかとても不思議に思う。