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中国南部の広大なカルスト地帯に巨大なミャオ・ルーム鍾乳洞があります。近年、中国とヨーロッパの合同チームが最先端の測定機器で調査した結果、ミャオ・ルーム鍾乳洞の内部は世界最大であることが判明したのです。
世界には大きな鍾乳洞がたくさん知られています。長さから言えばアメリカのケンタッキー州にあるマンモス洞システムが643kmで断トツ。洞窟内の表面積ならばベトナムのソンドン洞が世界最大とされています。
そして内部空間の大きさではミャオ・ルーム鍾乳洞が世界最大なのです。それまで世界最大とされていたマレーシアのサラワクチャンバーより10%ほどミャオ・ルーム鍾乳洞が大きいことが分かったのです。
ミャオ・ルーム鍾乳洞は中国南部の貴州省と広西チワン族自治区に広がる国立公園の中にあります。貴州省は全体の80%が石灰岩で占められていて、中国有数のカルスト地帯です。
また「地に三里の平地無し」と言われるほど、平地がないエリアなのです。沢山の鍾乳洞やドリネード(鍾乳洞の天井が崩れて空いた窪地)、自然にできた天然橋などがあり、多彩な地形が楽しめます。
ミャオ・ルーム鍾乳洞以外にも総延長100kmの双河洞(アジアで第2位の長さ)もあります。
ミャオ・ルーム鍾乳洞の「ミャオ」とは洞窟の周りに住む少数民族ミャオ族から来ています。もともと彼らの住む地域でしたが、現在は漢族が大多数を占めています。
それでもミャオ族の自治区や自治州が数多く存在し、国境の山岳地帯を跨ぐようにタイ、ミャンマー、ラオス、ベトナムなどにも生活しています。
いくら空洞が大きいと言われてもイメージするのは難しいですね。ナショナル・ジオグラフィック誌は3Dの図で分かりやすく解説しています。一番広い空洞にはボーイング747(B-747)が楽に入れる空間があるそうです。
B-747はお馴染みの超大型旅客機で全長は76.4mで幅が68.5mもあり、スペースシャトルを乗せて飛んだ機体としても知られています。もちろん、洞窟内の飛行はできませんよ。
ミャオ・ルーム鍾乳洞の最も大きな空間の高さは191mで長さは852mあります。これだけの空間を人間が作るとしたら、天文学的なコストが必要になるかも知れません。
洞窟内の正確な測定を可能にしたのはレーザースキャンという技術。あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、私たちの生活でも使われています。レーザー光線をある特定の場所に当てて、それが戻ってくる時間から距離を測定するのです。
身近な例ではゴルフで現在地から目標地点を測るレーザー測定器もそうです。その他、土量や文化財なども複雑な形状も簡単に測定して3D化ができるのです。
この世界最大の鍾乳洞を伝える記事には多くの地底探検ファンがコメントを寄せています。
3Dの図でも分かるようにミャオ・ルーム鍾乳洞は山の内部に大きく広がっています。
どのくらい年月がかかるか判りませんが、少しずつ広がり、いずれ支えきれずに天井が崩落して巨大トリネードができることは間違いないでしょう。そう考えると洞窟探検もスリルが増しますね(笑)
中国南部のカルスト地形は自然世界遺産(中国南方カルスト)にもなっています。中でも幻想的な風景が楽しめるタワーカルストの桂林(広西チワン族自治区)は人気の観光スポットとして有名ですね。
中国はカルスト地形を活かした観光業に力を入れています。今のところミャオ・ルーム鍾乳洞は手付かずの状態ですが、近い将来に見学ルートができるかも知れません。
(参考)http://www.dailymail.co.uk/sciencetech/article-2775249/China-
supercave-largest-EARTH-Huge-Miao-Room-cavern-measuring-staggering-
380-7-million-cubic-feet-takes-title.html
http://thehigherlearning.com/2014/10/04/chinas-miao-room-has-officially-
been-crowned-the-worlds-largest-underground-space-video/
http://www.nationalgeographic.com/china-caves/supercave-iframe/
iframe.html
643mかと思ったら643kmだったなんて。まだ発見されていない巨大な鍾乳洞もあるかもしれない。ここ日本で!
日本じゃ地形的に無理