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今日でも世界中で戦争や紛争、テロが続いています。そしてこれらの戦いをテーマとした小説や映画などが数多く作られています。
数ある戦争映画の中でも「ブラックホーク・ダウン」(2001年)は私たちに非正規戦のリアルな悲惨さを訴えています。
「ブラックホーク・ダウン」の舞台となったソマリアは紀元前からの歴史があるアフリカ東部の国。12世紀頃からはアラブやペルシャとの交易で大いに栄えました。
日本の明治時代にイギリスとイタリア、フランスの植民地にされ、現在に至る悲劇が始まります。欧米列強が好き勝手に引いた国境線のためにエチオピアの人々は1960年の独立後も戦争や内戦に苦しめられています。
1990年代から国連軍は無政府状態のソマリアに軍事介入します。1993年、アメリカは敵対する軍事指導者らを拘束するために陸軍特殊部隊を首都モガディシュに派遣。
しかし強襲ヘリのUH-60(MH-60L)、通称ブラックホーク2機が敵中で撃墜され、さらに救援に向かった米兵と民兵が市街戦となり、米兵18名、対するソマリア側の民兵・市民は1000人以上が亡くなる大惨事に発展します。
この出来事は「モガディシュの戦闘」と呼ばれ、のちにマーク・ボウデン著「ブラックホーク・ダウン」となり、そしてリドリー・スコット監督により映画化されたのです。
映画の戦闘シーンのリアルさには思わず息をのみます。監督は徹底したリアリティーにこだわり、撮影には模型やCGを一切使っていません。
またアメリカ政府や軍の作戦に批判的な内容であるにも関わらず、撮影にはアメリカ軍が全面協力し、実際の「モガディシュの戦闘」に参加した兵士も戦闘シーンに参加しているのです。
ロケ地はモガディシュが候補になりましたが、アメリカと国交のないソマリアにはスタッフが入国できず、アフリカ北西部のモロッコで撮影されました。
「モガディシュの戦闘」後、敵は報復としてヘリ搭乗員の遺体を裸にして引きずり回したり、凌辱したのです。この様子はアメリカで放映され、ソマリアPKOから撤退した主因になりました。
これ以降、アメリカは地上軍の派兵に慎重になり、誘導ミサイルや無人機などのハイテク兵器を使った作戦を重視し始めます。2000年以降のアフガニスタン紛争やISとの戦いでもその傾向は顕著です。
その意味でこの悲劇がアメリカや世界に与えたインパクトは計り知れません。
この映画には多くの人々がコメントを寄せています。まだ見ていない人は生々しいリアルな作品であることを十分認識してから観ましょう。
映画「ブラックホーク・ダウン」は2001年のアカデミー賞で編集賞と音楽賞の2部門を受賞しています。この作品が戦争映画の最高傑作の1つであることは間違いないでしょう。
ラブロマンスや家族愛、過去のエピソードなどいろいろな人間ドラマが加わり、中途半端に仕上がっている戦争映画が多い中、この作品は戦場にフォーカスされています。
ソマリアは今でも治安は世界最悪レベルです。世界汚職国家ランキングでは北朝鮮とアフガニスタンと並び世界最下位。ソマリア沖では海賊が多発し、海上自衛隊の護衛艦を含む世界各国の海軍が治安維持活動を行っています。
2016年現在、外務省はソマリア全土に退避・渡航中止勧告を発令中です。一日も早い治安回復を祈ります。
(参考)https://en.wikipedia.org/wiki/Black_Hawk_Down_(film)
https://en.wikipedia.org/wiki/Battle_of_Mogadishu_(1993)
http://www.imdb.com/title/tt0265086/
海外コメント通り、無人で戦争ができるようになればゲームと一緒だ。どこにいても殺せるけど、どこにいても殺される。
自業自得としか
スコット兄弟の作品は当たり外れが。観たけど俺には外れ作品。
自業自得ってなあ
無政府状態に陥ったソマリアの経緯、どんな状態だったのかをちゃんと調べてこいと
映画冒頭にあるように国連の援助も軍閥のおかげで機能せず
ソマリアの自業自得って意味なら別だが
未発達な社会故の問題ってのは一概に外国のせいにして済む問題ではない
ソマリアではカートっていう覚醒作用のある一種の麻薬が蔓延っていてだな
成人男性の殆ど全てが常用している
この植物栽培の為にソマリアの農業が圧迫されるほど
軍閥の跳梁も含めてソマリア社会自身の問題ってのもきちっと見つめろよ
最近の中東問題にしてもそうだ
宗派争いなどイスラム社会自身が抱える問題ってのもよく考えろ
外国ガーとか単純すぎる陰謀論だわ
アメリカの特殊部隊は訓練が足りないな
英国SASの人はこれ観てどう思ったんだろうか
これは当時劇場で見て圧倒的臨場感で衝撃を受けたわ
ストーリーなんてないけどそれが功を制して訴えるものがある、観てない人には是非観て
あの映画のキモは包囲された米軍兵士が散々な目にあう映像をこれでもかと見せ付けておいて、ラストのテロップで「米軍死者18名、ソマリア民兵死者1000名以上」という非対称戦の残酷な結果を見せつけることになるからなぁ。
実際の戦場では爆風で手足が吹き飛んだり人がバラバラになる、まさに地獄絵図。ただ戦争映画でそれを再現するとホラーになってしまったり(そういう描写を好む人ならともかく)、気分が悪くなって作品のテーマ性に集中できなくなってしまうから残酷描写を抑えめにする。リドリー・スコットは今作品でできるだけリアルな戦場を見せたいと思ったのだろう。