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ネオジム磁石は世界で最も強力な磁石としていろいろな分野で使われています。日々の生活ではあまり目立たない存在ですが、実は“縁の下の力持ち“的な役割を果たしています。このネオジム磁石を発明したのは日本人の研究者、佐川眞人氏です。
佐川氏は1943年に徳島県で生まれました。尼崎高校・神戸大学を経て、東北大学で金属材料工学を研究し、博士号を取得。富士通に入社後は磁石の研究を始めます。
しかし富士通では開発許可が下りず、単独で研究を継続していました。その後、1982年に住友特殊金属(現日立金属)の社長に直接アピールして転職。そして遂にネオジム磁石を開発したのです。
佐川氏が開発したネオジム磁石は小さいながらも磁力がとても強力です。なんと磁力は通常のフェライト磁石の約10倍のパワー。
身近なものでは携帯電話のマナーモード振動用のモーターやCD/DVDプレーヤー、PCのハードディスクドライブなど、大きなものではハイブリッド車や電車・エレベーターなどの駆動部などの主要部品に使われています。
現代では世界中の動力の半分以上はモーターが使用され、そのモーターには磁石が使われています。私たちの生活はこれらの磁石なしでは成り立たないのです。
このネオジム磁石は30年間も世界最強の座を維持し続けています。日進月歩の著しい産業界、特にコアな技術においては驚異的な実力と言って良いでしょう。
ネオジム磁石の主原料はレアアースです。この素材はその名の通りレア(希少)なので、存在量が非常に少ないのです。
このため保有国による政治的な外交カードにされたこともあります。2005年時点では世界のレアアースの98%は中国から産出されていたのです。
2010年、中国共産党は民主党(2016年に民進党に改名)政権下の日本に対して尖閣諸島で偽装漁船を海上保安庁の巡視艇に体当たりさせ、更にレアアースの輸出を事実上禁止するという外交圧力をかけます。
その結果、レアアースの価格は10倍に跳ね上がり、一時的に日本の産業界は窮地に陥りました。
この事件以降、日本はレアアースの中国依存を弱め、世界各地でレアアース鉱山の開発を積極的に行っています。
他方では、性能を維持しつつレアアースの比率を抑える技術や、日本領海や排他的経済水域(EEZ)などの海底資源からレアアースを取り出す技術の研究・開発も進められています。
ネオジム磁石を巡る中国との問題は原料だけではありません。日立金属の基本特許は既に切れていますが、周辺技術の特許を保有しています。
世界中の磁石メーカーはライセンス料を払ってネオジム磁石の生産を行っていますが、これに不満を持つ中国の一部メーカーは日立金属の特許の無効を求めてアメリカで提訴しています。
産業界では欠かせないネオジム磁石ですが、ユーチューブ上にはネオジム磁石のパワーを実感できるユニークなアイディアが溢れています。
中でも日本人(AmazingScience 君)が発明した超シンプルな玩具は大人気!小学生の夏休み工作でも作れそうな簡単なものです。
佐川氏は1988年に永久磁石を開発するインターメタリックス(京都市)を創業し、70歳を超えた現在でも最高技術顧問として活動しています。ノーベル物理学賞の候補としても名前が挙がることがあります。
青色LEDの開発で日本人が物理学賞を受賞していますが、筆者的には佐川氏の人類への貢献は青色LED以上だと思います。
もちろん、ノーベル賞は狙って獲れるものではありません。才能や業績だけでなく、トレンドや運の要素も大きいことは良く知られています。
それでもiPS細胞でノーベル生理学・医学賞を受賞した山中伸弥氏に続く、神戸大学出身者の受賞に期待したいですね。
(参考)https://en.wikipedia.org/wiki/Masato_Sagawa
https://en.wikipedia.org/wiki/Neodymium_magnet
さすが民進党!日本を弱体化させることによって日本企業に喝を入れてたなんて。一般人には想像できない荒業だ。
TDKのフェライト磁石の開発などももっと取り上げられて良い
こういう工業史におけるブレイクスルーを紹介するのは子供らに工学理学の魅力を伝えるに最適の手段だよ
ひいては社会の力になる
知らなかった
いいネタをありがとう、勉強になりました
なんでや民進党悪くないやろ
名前をコロコロ変える政党。
どっかのミンジョクの通名みたいだな。