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300億円が爆発!墜落前にX線衛生「ひとみ」が観測したデータに賞賛の声

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2017/01/28

J462
2016年の2月に打ち上げられたものの、3月26日の交信を最後に、空中分解し墜落したとされる、X線衛星「ひとみ」が墜落までのわずかの間に大きな発見を残していたことがわかりました。

もともと、ひとみは宇宙や銀河の間にただようガスをX線で観測する装置をのせており、それが、ペルセウス座銀河団にまとわりつくガスの動きを捕らえていたというのです。

「ひとみ」によって観測された結果は従来の予想とは大きくかけ離れていました。この結果は、遠くにある銀河やその中心にある巨大ブラックホールの全容解明に向けて大きく一歩貢献したと言えます。

ころんでもただでは起きない「ひとみ」のチームに対し、「X線できっちり見えたのはこれが初めてだね」「すごい映像だね!これでひとみの観測が続いていたら…」と賞賛の声とひとみを惜しむ声とがあがっています。

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10年以上の歳月をかけて開発した「ひとみ」

2016年の2月17日、それまでAstro-Hの名前で親しまれていたX線観測衛星が鹿児島県、種子島の宇宙センターより打ち上げられました。

打ち上げは多くのTVや新聞、ネットでも大きく取り上げられ、人々の期待の大きさが強く感じられました。同日、日本宇宙航空研究開発機構JAXAは名称を「ひとみ」とすることに決定。

名前の由来は

  • この衛星が、X線をたくさん出すような「熱い」宇宙を見る「ひとみ」となるように
  • 「ひとみ」を書き込まれた竜の絵が魂を得て天に昇った昔話のようにこの衛星が宇宙科学に魂を吹き込むような重大な研究成果をあげられることを願って
  • この衛星の主な観測対象であるブラックホールはさながら銀河の中心に存在する「目」のように見えることから

と言われています。

「ひとみ」開発のスタートは、さかのぼること2002年です。はじめは研究者たちの非公式なグループでのスタートでしたが、長い4年間を経て、ようやく宇宙理学委員会や宇宙科学研究所企画調整会議の審査にこぎ着けます。

2008年、アメリカの宇宙開発事業への採択、NASAの参加があり、JAXA内で正式なプロジェクトチームが立ち上がりました。

Astro-Hという古い名前はこの時に決まっています。その後、本格的な開発が進められること8年。開発費はなんと300億円。2016年2月17日、ついに打ち上げに成功します。

開発を進めて来た研究者、期待をこめて見守って来た人々はこの日をとても待ち望んでいたのです。よろこびもつかの間、わずか一ヶ月後にバラバラにつぶれてしまうなど、だれが想像したでしょう。

「ひとみ」空中分解。油断と緊張のはざまで

順調に観測をスタートしていた「ひとみ」ですが、2016年の3月26日にJAXAとの更新を断ちます。その後、アメリカの衛星によって、「ひとみ」とおぼしきものがいくつもの破片にバラバラになっているのが確認されます。

JAXAは必死で復旧を試みますが徒労に終わり、一ヶ月後の4月26日、正式に復旧を断念。「ひとみ」の失敗が確定しました。

異常事態発生の原因究明は困難を極めました。交信が途切れてしまった「ひとみ」からはなんの情報も得られません。当初は何が起こったのかわからなかったのです。

しかし、JAXAは交信断絶までに得られた「ひとみ」との通信記録、断絶まぎわのとぎれとぎれの通信の内容、その時刻、そのときの「ひとみ」の位置、そして他の衛星や地上の天体望遠鏡が捕らえた「ひとみ」の破片の動きなど、ありとあらゆる情報をつなぎあわせて、「ひとみ」分解までのシナリオを明らかにします。

なぜこんなことが起こったのか

「ひとみ」にはもともと自分が太陽や地球に対してどのような向きを向いているのかを知ることができる装置がついていました。事の始まりはそれが異常な値を示したことです。

本来ならば修正されるはずのものですが、特殊な状況が不運にも重なり、修正が行なわれることなく、「ひとみ」は「自分はおかしな方向を向いている」と勘違いするに至ります。

そして、その間違った値をもとに自分の向きを正そうとしますが、ますますおかしな方向に向いてしまい、「ひとみ」の体はねじれていきました。もちろん、それだけでは壊れたりはしません。

「ひとみ」が自分で向きを直せない時には、地上から信号を送ることで直すのですが、そこで致命的なミスが起きてしまうのです。どちらの方向に、どれぐらい動くのか、指示はプラスやマイナスといった符号がついた数値で送られます。

その一部の符号が間違っていたため、さらに間違いを大きくする方向に「ひとみ」の体は回転し、翼のように広げていた太陽光パネルの根元がねじれ、折れて飛んで行ってしまいます。

その後、「ひとみ」はバランスを崩し、弱い部分に力が集中して、全部で11個もの破片に分解してしまったのです。

符号をどう扱うかという指示が徹底されていなかったことと、本来ならば、その数値を送って大丈夫かといったシミュレーションがなされるはずなのに、そのときは行なわれなかったことがまさかの原因。

まさに「油断」したその時に事故は起こったといえるでしょう。

絶望から希望へ。「ひとみ」がよみがえる瞬間

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巨額の開発費をかけてつくられてきた「ひとみ」のあっという間の失敗に、研究者も宇宙科学を応援していた人々も悲嘆にくれます。

今後、何年にもわたって「ひとみ」から送られてくるデータで進めて行くはずだった研究が全て水の泡となったのです。それだけではなく、今後の研究費がつくかどうかもわかりません。

何の成果も出せない研究者たちに誰が研究費を出してくれるというのでしょう。「ひとみ」の計画を進めて来た研究者らは、「ひとみ」がデータを残したわずか一ヶ月あまりのデータを必死になって解析しました。

その結果、「ひとみ」が宇宙の進化について、少なくとも一歩、私たちの理解を深めた、ということがわかったのです。

「ひとみ」が記録していたのは、ペルセウス座銀河団という2億光年ほど離れたところにある190個もの銀河の集まりです。

中心部は非常に熱いガスが溜まっていて、X線を大量に出している天体の1つです。また、宇宙で最も低い音を出している銀河団とも言われています。

X線を強くだし、高温状態にある非常に活発な銀河団であるため、銀河がどのように集まって銀河団をつくっていくのか、を知るにはうってつけの銀河団とされ、もともと「ひとみ」の観測対象にもなっていました。

研究者らは、銀河団の中心にあるブラックホールが銀河を引き寄せて、銀河団をつくっているのだと考えていました。

中心のブラックホールからはたくさんのジェットと呼ばれる粒子やエネルギーの流れが勢い良く吹き出し、それが銀河団に満たされているガスを引っ掻き回していると想像していました。

このガスというのは、いわば星のゆりかご。このガスの中で星ができて、そこで生命がうまれ、いま私たちがあるわけです。

宇宙の進化が覆る?

しかし、「ひとみ」が出した答えは「否」。ペルセウス座銀河団の中心で、吹き出るジェットは決してガスをかき乱したりはしていなかったというのです。

宇宙内で「熱い」現象を扱っていた研究者らには大きなショックでした。どうして銀河団の中央がこれほど「熱い」のか、その理由を他に探さねばならなくなったのです。

宇宙の進化にまつわる1つのシナリオを見直す必要が出てきたと共に、これは、新たなシナリオを作る上で大きなヒントになるはずです。この結果は「ネイチャー」をにぎわし、多くの宇宙ファンにも歓迎されました。

残念な結果になったものの、転んでもただでは起きない「ひとみ」とそれを支えたJAXAに世界から賞賛の声と「ひとみ」を惜しむ声が寄せられています。

天の川銀河の中にもペルセウス腕ってあるけど、銀河団の名前にもあるんだね!
あれ、ひとみって壊れたんじゃなかったっけ?こんな成果だせるんだ!
すばらしいね。びっくりだよ。はじめてみたね、こんなデザインは。
すばらしい!
グッジョブ!
衛星がとった宇宙の写真って素敵!
この衛星作った人たちは世界で一番力がある団体だね。
銀河団、美しい。
こんな写真、衛星でしかとれないよね。
X線でここまで詳細に銀河団の中心をみられたのははじめて!ほんと「ひとみ」が今もあったら…
クール!としか言えない。こうやって、きれいなデータがとれるんだから、とてもよくできた衛星だったんだな。
不幸にも落ちてしまったけど、こうやって成果がでて、すっごく嬉しい。
衛星が落ちてしまったのが残念でならない。こうやって、成果は出してくれてるけれど。
驚愕…。「ひとみ」のおかげで私たちはより遠くを見られるようになったのね。
新しい測定器ができて、ガスの動きがはじめてわかった!
すばらしい仕事だね!
きれい…。すばらしい。JAXA、ありがとう。
遠くの銀河団のことがこんなに見通せるんだね「ひとみ」って。見られてるかも!って危機感を抱いた宇宙人が、「ひとみ」を撃ち落としたのかも(笑)
「ひとみ」のうちあげ映像に青い地球がうつっていたけど、人類は宇宙から地球を眺められるようになったんだね。ガリレオの時代を思うと、なんだかしみじみするよ。
初のX線観測!感動した。でも、ダメになったと思ってたのに、こんなデータとれてたんだ!

宇宙開発は一進一退。「ひとみ」はとても安易な人為ミスが決定打となって失敗しましたが、どのような事故もそんな「油断」から起きることがほとんどです。

毎日の生活をとっても、ミスを「極力」なくすことはできても、「完璧に」失くすことは難しいのでしょう。しかし、JAXAと「ひとみ」の偉いところは、大失敗の後の立ち直り方です。

わずかなデータから、原因究明をし、今後のための防止策も提示し、「ひとみ」本来の目的であった研究も一歩進めました。大きなプレッシャーの中、確実に結果を出したことに、日本の宇宙科学の水準の高さを感じます。

次はきっともっと大きな成果を生み出してくれると期待できそうですね。

(参考)https://www.engadget.com/2016/07/07/hitomi-perseus-cluster-
black-hole/

地球も魅力的だが、宇宙はやっぱりスケールが違う。想像できないほど大きな刺激があるから恐怖もあるけど、興味のほうが断然大きい。

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コメント一覧
  1. 日本の名無しさん
    2017年1月28日 10:49 PM

    これが外国の開発なら、ひとみ最後までよくやった!って言えるんだけど、
    出資した国民からすれば、ああ300億円が宇宙のもくずに……と思ってしまうのも事実であって…。

  2. 日本の名無しさん
    2017年1月28日 11:30 PM

    300億で済むのであれば安いもの。
    問題はこの失敗から何を得るかということであろう。

  3. 日本の名無しさん
    2017年1月28日 11:55 PM

    つまらんミスで大破して僅かな期間しか観測出来なかった、とはいえ定説を覆すほどの結果は残したんだ
    予算が付いてまた打ち上げして欲しいな

  4. 日本の名無しさん
    2017年1月29日 12:03 AM

    また、渡辺謙で映画化。

  5. 日本の名無しさん
    2017年1月29日 12:05 AM

    こういう素晴らしい発見に一歩でも近づけたなら、俺は300円でも無駄では無いと思う。

  6. 日本の名無しさん
    2017年1月29日 1:50 AM

    こういう観測衛星はいまや1国だけで計画・開発されることはなくて
    ひとみもアメリカやヨーロッパの研究機関が多く関わっていた
    X線による観測はこの先も大きな結果が期待出来るということで
    去年の話だと2020年にひとみの後継機の打ち上げが検討されてるよ

  7. 日本の名無しさん
    2017年1月29日 2:23 AM

    300億とか安すぎない?NASAと比べるのが間違いかもしれないがよぉ

  8. 日本の名無しさん
    2017年1月29日 3:14 AM

    ロケットも失敗多かったけど、研究を何度も何度も重ねてかなり安定して飛ばせるようになった
    でも、人工衛星は初代はやぶさ(暫く通信途絶)やあかつき(初回の軌道投入に失敗、約5年後に再挑戦して成功)とか、まだまだ不安定な要素が大きいな
    こういった分野の改善も頑張ってもらいたい

  9. 日本の名無しさん
    2017年1月29日 4:28 AM

    必ず後付けで何かがっーてなるよね
    はやぶさなんて本当に詐欺だったよね
    あんな茶番をまたやるんだな

  10. 日本の名無しさん
    2017年1月29日 8:02 AM

    次は完璧にやってくれ

  11. 日本の名無しさん
    2017年1月29日 8:49 AM

    格好いい事言ってるけど結局は姿勢制御を間違えて入力して、さらに加速して分解しただけじゃん?
    間違えて入力したヤツは腹を切ったの?

  12. 日本の名無しさん
    2017年1月29日 2:05 PM

    一番問題なのはミスしたことじゃなく
    ミスに誰も気づかない体制だったんじゃ?

  13. 日本の名無しさん
    2017年1月31日 6:06 AM

    そうなのだよ12。
    そして再発防止の体制が整えられた。
    11のように一個人に責任押し付ける考えでは朝鮮ロケットのように何にも進歩しない。

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