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手編みニットだって巨大遊具になっちゃう!?子供が遊べる編み物

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2015/06/17

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「手編みのニット製品」と聞いて頭に浮かぶのは、マフラー、手袋、セーターなどですね。中にはベッドカバーなどの大作に挑戦する人もいるようですが、なんと手編みニットで子供が乗って遊べる「巨大遊具」を作ってしまった人がいるのです。

その人とは、カナダ在住の造形作家Ms Toshiko Horiuchi MacAdam(日本名:堀内紀子さん)という、国際的に活躍している日本人女性です。

彼女の代表作のひとつ「札幌の国営滝野すずらん丘陵公園」に登場した巨大遊具は、毎日10時間以上編み続け、完成までに何と3年もかかったそうです。

アーティストへの道のり

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戦前生まれの堀内さんは、子供時代を満州で過ごし、日本へ戻った後は都内の名門校を卒業ののち、多摩美術大学を経て、美術大学としては世界でトップクラス、アメリカのクランブルック美術大学の修士課程へ進みました。

修士号取得後は、ニューヨークにある有名なデザイン事務所でテキスタイル・デザイナーとして働き始めますが、アーティストとしての仕事に悩むようになり、たった2年で辞めてしまいました。

その後は日本、アメリカの芸術大学で講師の仕事をしながら、フリーランスのアーティストとして作品を作り続け、今では日本、カナダ、アメリカ、フランス、スペイン、韓国、シンガポールなど、堀内さんの作品は世界でとても高く評価されています。

子供達が運んで来てくれた人生の転機

身の回りで起きた小さな出来事が人生の分け目になる――堀内さんのアーティストとしてのキャリアへのきっかけを作ってくれたのは、子供達の何気ない行動でした。

それは、1960年代後半、堀内さんが手編みのハンモックを展示した時のことでした。会場に来ていた子供達に「ハンモックで遊んでいい?」かと聞かれ、「いいわよ」と答えた堀内さんは、彼等が遊ぶのをそばで見ていました。

その時、ハンモックに使った材料の「繊維(細いロープ)」が、まるで「生きている」ように子供達の動きに合わせて形を替え、その「繊維」の表面がどんどん変化していく様子を見ながら、堀内さんは「これが私が探していた芸術だわ!」と直感したそうです。

それ以来、「子供達が遊べる遊具としての作品」と作ろうと決心するのですが、1970年の初め頃は、堀内さんの作品を大きなプロジェクトに使ってくれる人は少なく、初めて大きなチャンスに恵まれたのは1979年の「沖縄平和祈念公園」でした。

この沖縄では小さな遊具の出展になりましたが、どれも高い評価を受け、これをきっかけに「箱根彫刻の森美術館」での「子供達が触って体感できる展示物」を制作するという素晴らしいチャンスを手に入れることが出来ました。

この初めての本格的なプロジェクトで、堀内さんは650kgの細いロープを用意し、1日1kgを3ヵ月かけて染め上げ、1年間編み続けて完成させました。その遊具は今も使用されていて、多い時には1日6000人近い子供達が遊んでいるそうです。

2001年には「箱根彫刻の森美術館」で2つ目の遊具を作りました。これはアメリカの業界紙・新聞でも大きく紹介されて、海外でもとても大きな話題になりました。

では、手編みの遊具について海外の人は一体どう思っているのでしょうか。

アメリカに紀子さんとご主人が一緒に作った子供用の遊び場があるのよ。注文した人たちは想像以上にすごい物が出来て、とっても感動したらしいわ。
彼女は本も出しているの。作り方とかコツとか載っているから参考になるわよ。
ずっと作りたいと思ってる夢の公園があるんだけど、彼女になら出来ると思うから個人的に連絡してみるつもりよ。
こんな遊び場なんて見たことがないわ。すごすぎる!私のFBで紹介するわね。
こんな素晴らしい遊びがあるなんて、もう一回子供に戻りたいわ!
美術館で働いているんだけど、うちでもこんなすごい展示物があれば、子供たちもすごく楽しく遊べると思うわ。
私の子供が小さい頃にこんなのが合ったら良かったのに。私が子供に戻って遊びたいくらいだわ。
すごく色合いがキレイで、とにかく凄いの一言に限るわね。LAに住んでるんだけど、ここにもあんな公園があればいいのに。
子供に使わせるのは勿体ないわ(笑)私が使ってみたいわよ。
実物は見たことがないんだけど、どうしたらこれだけ丈夫に作れるのか不思議だよね。
この人の作品について研究しているの。今、自宅の裏庭でハンモックを作ってるんだけど、使う糸の太さや編みかたで仕上がりが違うし、本当に難しいわ。
私も自分で作ってみたいけど、問題はこの編みかたと大量の紐(コード)ね。どこで買ったらいいのかしら?
これを目の前にして「遊びたくない」なんて思う子どもはいないよね。
こういうのを地域で皆が協力して作りあげるなんて素敵じゃない?
すごすぎるアイデアだわ。公園って大人になっても楽しめるじゃない?私もここで絶対遊んでみたいわ。
他所の国に似た様な作品を作るアーティストがいるけど、紀子さんはこの道40年以上だから、彼女がオリジナルだよね。
1980年代には日本で既に注目され始めて、あるテレビ局の報道番組のスタジオで採用されていたらしいよ。箱根の美術館の遊具では6000人以上の子供たちが遊んだらしいけど、全然壊れていないなんて凄いよね。
色の鮮やかさと組み合わせが目を引くだけじゃなく、作品の流れるような形が素晴らしいと思うよ。
日本を旅行した時、箱根の美術館で実際に見たよ。子供達は乗って遊んだんだけど、経験したことがない不思議な感覚だったって感動してたなぁ。東京からも手軽に行けるから日本に行ったら、絶対行ってみることを勧めるよ!
この公園で遊んだ経験は、きっと子供達は一生忘れないと思う。大人でも楽しめると思うよ。僕も童心にもどって遊んでみたいよ。

あるブログに、堀内さんのお嬢様のコメントが書き込まれていました。

「世界中の人が母の作品を喜んでくれてとても嬉しく感じます。母は私にとり、芸術家としても母親としても私の手本です」

まだ海外留学が珍しかった1960年代に単身渡米し、ニューヨークで「テキスタイル・デザイナー」として働くチャンスに恵まれながら、自分が納得するまで諦めずに努力し続けたからこそ、夢を手に入れることができたのかもしれません。

世界があっと驚くような作品を生み出してくれる堀内さんを、同じ日本人としてこれからも皆で応援していきましょうね。

(参考)http://polkaros.com/blog/hand-knitted-playground/
http://www.archdaily.com/297941/meet-the-artist-behind-those-amazing-
hand-knitted-playgrounds/
http://www.play-scapes.com/play-history/play-heroes/more-playground-
crochet-from-toshiko-horiuchi-macadam/
http://www.crochetspot.com/fiber-art-as-playground-by-toshiko-horiuchi-
macadam/
http://www.play-scapes.com/play-art/playgrounds-by-artists/playground-
crochet-by-toshiko-horiuchi/

手編みのテーマパークなんて誰も考えつかなかった発想だと思う。マフラーやセーターなど小さいものではなく、子供達の遊具を作って楽しんでもらえるなんて、彼女自身も幸せなんじゃないだろうか。

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コメント一覧
  1. 日本の名無しさん
    2015年6月18日 12:35 AM

    自分も子供の頃箱根彫刻の森美術館で遊んだから未だにあの遊具が現役ってのには驚かされる。
    大人も遊んでいいならもう一回子供の頃の写真と同じポーズで撮りたいわ。

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